AIの技術的特徴・潜在能力によって変化する私たちの生活

 ここ数年で一躍脚光を浴びているAI(人工知能)ですが、2016年頃から世界各国が国家戦略として取りくみを始め、ビジネスシーンでも利活用が進んでいます。

しかし、AIによって実際のところ我々の生活にどのような変革がもたらされるのか、現状を知る人は少ないのではないでしょうか。

本記事ではAIによってもたらされる、デジタル社会の革命について詳しく解説します。

AIと人間の会話は成立するのか

AIが人工知能であることは広く知られているところですが、実際にAIロボットと対面し会話した経験を持つ人は多くないはずです。

AI=ロボットというイメージは過去数十年にわたって研究され、すでに実用化の粋に入っていると言われていますが、実社会への浸透はそれほど進んでいません。

メディアにはAIを搭載したロボットが登場し、人間と会話するデモンストレーションを行っていますが、相手がどんな感情を持って会話をしているのか判断する領域までには達していないように見えます。

この章ではAIが人間と同等に会話ができるのはいつになるのかを考えてみたいと思います。

セラピストのような会話から始まったAI

AIが登場した当初は「どうしましたか」などと相手の心理を聞き出し、「なぜそうなんですか」とか「その時どう感じたのですか」といった会話が続いていました。

相手の反応に対して汎用性の高い回答を用意しておくのですが、これはセラピストのテクニックと非常に近いものであったのです。

これは現在のストレス社会に於いても有効ではありますが、その回答は限定されるという限界がありました。

これを踏まえ、現在では会話のデータから言葉を生成する段階へと進化してきており、ビジネスシーンでは顧客の意見を聞き感情を分析するところまできています。

ビジネスへの活用方法

顧客の要望を把握することができれば、ほぼ全てのビジネスモデルの改善に利活用することができます。

顧客サービスのフローの合理化から営業戦略の策定までのデータを把握することが容易になり、他社との競争に打ち勝つ原動力ともなります。

AIの進化は急速でありその実装のタイミングを測ることは難しい課題ですが、遅すぎるといったリスクはAIにはないといっていいでしょう。

なぜなら、AIの進歩はビジネスシーンで活用するスピードをはるかに上回っているからです。

顧客の要望を理解できる感情分析

顧客の感情は市場に大きく影響するため、自社のコンテンツに感情分析を用いることで、消費者のニーズを掴むことができます。

これは市場戦略にとって極めて重要な分野ですが、AIの感情分析を活用すればソーシャルネットワーク内の数千、数万に及ぶユーザーの意見を瞬時に評価することができます。

これによって、大量のユーザーの生成コンテンツの把握に大きなアドバンテージを持つことができます。

資料の要約の補助

ビジネスシーンで煩わしいと思うのが、何ページにも及ぶ膨大な資料(テキスト)の読み込みです。

AIはそれらテキストの要点を瞬時に把握し、そのコンテンツに携わるべきかをアドバイスしてくれます。

AIの中には書籍データなどの幅広い知識がインプットされているため、資料の要点をつかみ顧客への適切なアドバイスを可能にします。

AIがもたらすデジタル社会の革命

AIは既に多くの業界業種に導入され浸透し実用化されていますが、どのような場面で利活用されているのでしょうか。

AIの利活用の本名中の本命といえば自動車の自動運転ですが、ディープラーニング(深層学習)によって停止標識の認識や見通しの悪い交差点、障害物と人間の区別といったことが可能となっています。

これら自動運転には、5G(次世代移動通信システム)やIoT(モノとモノをつなぐインターネット)との組み合わせが不可欠となります。

この章では、自動車の自動運転や金融機関の利活用などを例に、その可能性を考えていきたいと思います。

5G環境下でのAI、IoT技術との接続

自動運転のビジネスの領域では、自動車メーカー以外のデジタル分野のメーカなどの新しいプレイヤーも参入しつつるのがこの分野の特徴です。

自動運転には5Gの低遅延時間、多数同時接続の技術でIoTやAIといった技術を使いこなすことができます。

現在の自動運転の主流は単独型・自立型に分かれいますが、どちらも車に周囲環境を認識する機能を全て搭載して自律走行させています。

したがって現場の自動運転の車に必要となる物は、高精細な地図や交通情報をクラウドから無線を介してダウンロードするもので、あくまでも車が人間の代わりに自立的に運転するものでしかありません。

こうしたクラウドを使った自動運転の課題は、混み合った高速道路の追い越しや見通しの悪い交差点などでの突発的な事故に対応する能力に限界があるということです。

そこで、5Gを使って遠隔で車のサポートをすることで、車の中のAIを外部のAIと高速で接続することによって、これらの欠点を克服することができるようになります。

金融機関の導入事例

金融機関でもAIを活用した分野が広がっており、既存の課題解決だけでなく新たな課題解決に向けて急速に進化しています。

そのひとつが株価の予想で、AIは語彙や語調などで感情分析をおこない、バランスシートなど企業が公開している財務状況を評価し、過去の公示情報と比較し投資評価します。

この感情分析よって、企業の恣意的(しいてき)な財務評価を回避することができるようになります。

また、不正なアクセスに対しては従来のシステムでは複雑な規則に依存してきましたが、AIの学習システムを利用することで検出することが容易になります。

金融機関はAIが発するセキュリティに対する警告を受け、場所や取引の異常を瞬時に特定できるようになるのです。

AI導入で失敗するパターン

AIを導入することで改善される課題も多い反面、専門性が求められるAIを使いこなすことができずに失敗に終わる事例も少なくありません。

まずはAIへの理解を深め、導入による期待値を下げることが失敗のリスクを回避することにつながります。

AI導入で失敗するパターン

AI導入によって得られたデータは複数存在するため、それが他社よりも優位に働くデータであるか分かりません。

また、収集したデータを元に学習したAIが、期待通りの示唆や目的を示すとはかぎらないのです。

初めにAIに何を求めるかを定めていないと、その後の利活用が十分にできないことがあります。

ディープラーニングの不足

AIの特徴のひとつであるディープラーニングは、学習の積み重ねであり、これによってさまざまなデータの処理精度を向上させることができます。

つまり、AIを導入してもすぐには結果がでないということを理解した上での運用が成功につながるのです。

AI導入には多額のコストがかかりますが、成果を急ぐのではなくじっくりとAIの成長を見守りましょう。

まとめ

AIの技術はまだ始まったばかりといえ、今後どのように進化してくのか予想することは困難です。

ただ、AIの進化の目安となるものがあるとすれば、ディープラーニングでしょう。

現状ではデジタルデータの入力のほとんどを手動で行っているのに対し、AIは人間の脳内にある神経細胞と、そのつながりを人口ニューロンという数式的なモデルで表現したニューラルネットワークによって自己学習させます。

AI導入の失敗事例でもみてきたように、その成果に一喜一憂するのではなく、ディープラーニングによってAIがさまざまな知識を得ることを気長に待つことが利活用の成功の鍵となるでしょう。

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