管理部門が効率化の的になりやすい理由
会社の効率化を考えるとき、もっとも矢面に立つのが「管理部門の効率化」です。

管理部門は何をしてるのかよくわからない
直接売り上げになるわけでもないし
これが、営業・企画開発・販売などの現場からよく言われるワードです。
管理部門は非常に重要な仕事ですが売上を直接上げているわけではないため、理解を得られないシーンが多々あるのが現状です。
ですが、今回は管理部門の重要性を説く記事ではありません。
(書けば長くなるため、次の機会に取っておきます)
ここでは、管理部門の効率化は慎重に行うべきであるという点についてご説明します!
管理部門が担う重要な仕事
そもそも、管理部門が行う業務は非常に多岐にわたります。
会社にもよりますが、総務・人事・経理・財務・広報など非常に多くの業務を担うことが一般的です。
もちろん総務課・人事課・財務経理課・広報課などに部署が分かれていたり、総務・経理・広報などの業務をアウトソーシングし、連絡係のみを担うなど、会社の規模によって担当する業務の幅はマチマチです。
このように多岐にわたる業務を行う管理部門の効率化は、はたして『どのような順序で行うべきであるのか』についてご説明していきたいと思います。
管理部門の効率化における大きなハードル
管理部門の効率化を行うときに、入念に計画を立てていても、意図せずして大きなイレギュラーが生じてしまうことがあります。
社長や役員などの独断による方針転換です。
社長、一定程度の権限を持つ役員などは己の感覚を頼りに、効率化に対して提言や支持を出してきます。
効率化(改革)を望む管理部門にとっては非常に煙たい行動です。
ですが、これは社長や役員が自身の影響力を確認する作業です。
これを蔑ろにしてしまうと、せっかく効率化を図って大きな功績を残しても、今度は彼らとの確執が生まれてしまいます。
すると、その後の発言が通りにくくなるなど、社会生活に影響が出てしまう可能性があります。
また、管理部門の業務は会社の中枢に関わることが多いため、ある日を境に全てが変わっているとなると混乱は避けられません。
効率化を行うはずが混乱を招くとなると本末転倒です。
効率化の近道は『バックアップ』?
結論からいうと、効率化の近道は『バックアップ』です。

????????
順を追って説明します。
バックアップと言ってもデータを別サーバに保管するというわけではありません。
「同時進行でこれまでの旧方式と、新しい方法を行う」と言うことです。

えっ?
2回も同じことするの?
もっと非効率!!
と、思われるかもしれません。
そもそも、これまでに浸透している旧方式(非効率なやり方)を、簡単に、効率的に、しかもノーリスクで行う方法など探してもそうそうあるものではありません。
効率化の方程式
『いままでの非効率な旧方式』 → 『重複して非効率な旧方式と新しい方法』 → 『これまでの非効率な旧方式を切り離した新しい方法』
これが正しい効率化の手順です。
ノーリスクで超効率的な効率化の方法などありません。
特に管理部門の効率化を行う際には、慎重に行うことが重要です。
管理部門が担う経理や人事は、法的な根拠があるため、やり方を大きく変えることで法律に抵触する可能性も考慮しなければなりません。
また、第三者への影響についても配慮が必要です。
経理部門を例にすると、
これまで消耗品だったものが仕入になる
一見、大きな違いはないように見えますが、根拠もなく社長の気分を理由として変わったとなると、取引銀行や株主など会社に関わる多くの人は、これまでの数字に対して疑念を抱きます。
会社への信頼を損ねることにもつながります。
ですので、効率化はあくまでも一定のルールの中で行うことが求められるのです。
決して非効率を容認しているというわけではありません。
一時的に重複作業を受け入れることが極めて重要
ここで『バックアップ』が重要になるのです。
効率化の真の目的は、工数を減らすことにあります。
バックアップを行うことで一時的に重複作業が行われますが、新しい方法が主流になれば旧方式は切り離すので、結果的に工数は削減されます。
切り離すまでの過程において、リスク・外的要因を考慮すると一時的に重複作業が重要な作業になるのです。
また、切り離す時期を設定することも大切です。

この時期以降はこれまでのやり方は認めません。
こうすることで、社員のからの反感を軽減することにもつながります。
あなたは効率化ができていますか?
経営者の方とお話をしていると、社長の独断で効率化が行われることがありますが、現場視点で見直してみると、見えていたところから見えないところに業務が移動しただけ(工数は一緒)になっていることが多々あります。
真の効率化とは、会社全体の工数が目に見える範囲に加え潜在的にも減少することです。
今一度、効率化についてきちんと考えてみてください。