大人になるにつれて、「責任」という言葉が付きまとうようになってきました。
家族の責任、仕事での責任、自分への責任etc. 何をするについても、「責任」が重くのしかかります。
ここ最近のニュースでも、仕事上での責任で自殺してしまう人までいるような始末です。
でも、「責任とは何なんだろう?」と思いませんか?
「責任、責任」と言いながら、言われながら、その意味をきちんと理解しているのでしょうか?
と言いながら、僕自身もその言葉に振り回されています。
責任とはいったい?
では、責任とは何なのか?
「責任」をある辞書で引いてみました。
- 立場上、当然負わなければならない任務や義務。
- 自分のした事の結果について責めを負うこと。特に失敗や損失による責めを負うこと。
- 法律上の不利益または制裁をおわされること。特に違法な行為をした者が法律上の制裁を受ける負担。
と説明されています。
3.の「法律上の責任」については、具体的でとても分かりやすいかと思います。
当然のことながら事件を起こせば捕まるし、ルールを破れば制裁を受けます。
これは、責任について一番分かりやすいものではないでしょうか。
では、1.と2.の定義についてはどうでしょうか?
「結果について責めを負うこと」や「立場上の義務」などと記載されていますが、そもそも範囲についての説明はありません。
何をした時に、どう責任を取ればよいのか、取り方やその範囲についても記載がないのです。
と言うことで、いろいろと調べてみました。
ありません。
どういうことかと言うと、そもそもこの「責任」と言う言葉の概念が広すぎて、取る人それぞれで全く意味が変わってしまう言葉と言うことです。
部下の失態に対して「責任をもって対処する」ことあれば「責任を取って辞任する」こともあります。
些細な事で辞任に追い込まれることもあれば、重大なことでも辞任はせず続投という場合もあります。
責任の受け止め方
では、責任と言われた時にどう受け止めるべきなのでしょうか?
例えば、会社の例で考えてみましょう

君、このプロジェクトどうなってるの?

すみません。
そのプロジェクトは役員会で決定した取引予定先の担当者と当社の他部署の間にトラブルがあったようで、これ以上前に進めることができません。

いやいや、このプロジェクトは絶対に成功させないとウチの部署の成績最悪だよ?
今回のプロジェクトは君だけのものじゃないんだよ?この責任どう取ってくれるの?
よくある?場面設定です。
では、この場合における「責任」と言う言葉はどういった意味なのでしょうか?
上司は部下のせいで、クライアントから責められてしまうことになります。
それは、上司が部下を使ってプロジェクトを進めるわけですから、立場上の義務として当然に受ける責任です。
しかし、プロフジェクトが成功した場合に利益を得るのは会社で、評価されるのは上司ですから責任を負うべきなのも当然上司です。
中には、プロジェクトが成功した時には自分の手柄とし、失敗した場合には部下に責任を押し付けてしまうような上司がいます。
また、「責任はとるから」と言っておきながら、いざ部下の失敗を謝罪に行けば「うちの〇〇がすみません。きちんと責任を取らせますから」と責任を取ったのかどうかあいまいに終わらせる上司もいます。
経歴は立派になるかもしれませんが、部下からの信頼を得ることはできませんので、いざというときに頼れる人がいなくなります。
まとめ
これまでの話を踏まえ、読者の皆さんには二つの言葉をお送りします。
- 「責任」だけ問われたら、あくまでも接続語なので無視しましょう。
- 重要な案件の場合は、自分の責任の範囲の明確化、いければ上司の責任を追求しよう。
人間が行うことには、ミスがつきものです。
そのミスをさせないためにと、プレッシャーをかけるように責任という言葉を使う人がいます。
責任と言う言葉は、魔法の言葉ではありません。
責任と発した本人が、受け手の勝手な解釈の拡大を期待する毒物的な言葉です。
ですので、その毒物を体内に広げないためにも、明確化するか無視するかの対処を確実にしましょう。
余裕があれば、責任について上司の方が深くきちんと説明できるのか聞いてみましょう。