ビジネスを成功に導く両面提示の法則とは?【具体例をわかりやすく解説】

人間は、良いことばかりをいわれても「嘘っぽい」「信用できない」と考える傾向があります。

この心理をしっかりと理解して行動しなければ、あらゆるビジネスシーンで失敗に終わる可能性が出てくるでしょう。

そこで役立つのが、メリットとデメリットを同時に伝えることで、相手の信頼度を高める「両面提示の法則」です。

このページでは、両面提示の法則について代表的な広告例や、営業シーンの具体例を詳しく解説します。

両面提示の法則の起源

メリットとデメリットを同時に伝えて好印象を得る両面提示の法則。

いったいどこから始まったのか、非常に気になるところですが、インターネット上に明確な情報はありません。

そこで、提唱したのが誰だったのか調べてみたところ、興味深いものを発見しました。

1949年にアメリカ合衆国の心理学者カール・ホブランド氏らの共同研究により提唱されたという説です。

情報量があまりにも少ないため、確実とはいえませんが、とても影響力のある心理学者の1人だったことを考えると、有力な説だといえるでしょう。

両面提示の法則を使った実験

日本国内では、社会心理学者の林 理さんと、山岡 和枝さんによる両面提示の法則を使った実験例がありました。

その内容は、メリットだけを伝える片面表示の法則と、デメリットも同時に伝える両面表示の法則を使った2つの広告を大学生に見せ、どちらがより好感を持てたかをリサーチするものです。

実験の結果は、両面表示の法則を使った広告に、8割の大学生が好感を持てると回答しています。

メリットと同時にマイナス面となるデメリットを伝えることで、信頼度が一気に増すことをわかりやすくした研究だといえるでしょう。

両面提示の法則を使った代表的な広告例

では実際に、両面提示の法則を使って成功している代表的な広告例をご覧ください。

今回ご紹介したいのは、次の2つになります。

キューサイ青汁のCM

多くの人が一度は見たことがあるキューサイ青汁のCM。

「まずい!もう一杯」といった、衝撃を与えるキャッチコピーを採用したことで、知名度が一気に上昇しました。

味がまずいといった致命的なデメリットを伝えているのに、もう一杯飲みたくなるメリットが気になって購入した人はとても多いでしょう。

最近では、味が美味しいとアピールする「片面表示の法則」を使った青汁の広告をよく見かけますが、両面表示の法則を利用したキューサイ青汁ほどの知名度はありません。

これを考えると、両面表示の法則を多くの人が目にするテレビCMで上手に活用したことにより、キューサイ青汁は成功したといえます。

東京ガス「junijuni」の広告

東京ガスが提案する、訳あり商品をお得に購入できるショッピングサイト「junijuni」の広告には、次のデメリットがしっかりと記載されています。

  • 賞味期限が近い「賞味期限間近品」
  • パッケージが古い「旧パッケージ品」
  • 過剰に生産されたもの「過剰生産品」

上記3つの理由があるから安いといった、メリットとデメリットの両方を伝えることで、お得感をわかりやすく表記しているんですね。

ちなみに片面表示の法則だと、安いことだけを前面に出してしまうため、なぜ安いのかがわからずに怪しまれてしまう可能性があります。

安い理由が明確だからこそ、信頼度が高くなり多くの集客が見込めるわけです。

ちなみに、アウトレット品や訳あり商品の広告には、このような両面表示の法則を利用した例が、数多く存在します。

両面表示の法則を利用した営業シーン

両面表示の法則は、広告のキャッチコピーにだけ用いられるものではありません。

次のようなあらゆるビジネスシーンで、頻繁に活用されています。

具体例① 家電量販店のケース

「こちらの新しく登場した洗濯機は、従来品よりも価格が5万円ほど高くなっていますが、洗濯時間や乾燥時間が大幅に短縮されています。洗浄能力も高くなったので、頑固な汚れも1回で綺麗になります。」

この家電量販店でのビジネスシーンは、両面表示の法則を上手に活用し、メリットを印象づけることに成功しています。

毎日の洗濯や乾燥にかかる時間を短縮でき、なおかつ洗浄力が高くなったメリットは、主婦にとってかなり魅力的です。

5万円の差は大きいですが、この金額を上回るメリットだと感じる人も多いでしょう。

具体例② 携帯販売店のケース

「新作のスマートフォンは、従来のスマートフォンと比較して重量が30g重くなりました。しかし、バッテリーの持ちとカメラの性能が格段に良くなっています。通常の使用であれば途中で充電切れする心配がないので、大変便利です。」

毎日持ち歩くスマートフォンは、軽量なものほど人気があるため、重量が重くなってしまったのは、あきらかに大きなデメリットです。

しかし、上記の両面提示の法則を使った営業シーンでは、重量が重くなったデメリットよりも、バッテリーの持ちとカメラの性能が良くなったメリットを、印象付けることに成功しました。

デメリットをあえて最初に伝え、1番伝えたいメリットを印象に残る最後に付け加えることで、購買意欲を高めることにつながります。

まとめ

両面表示の法則は、あらゆる場面で便利に活用することができます。

特に、商品を販売したり、契約をとったりする営業シーンでは、両面表示の法則を正しく使うことで、売り上げや業績を高めることにつながるでしょう。

メリットとデメリットをしっかりと関連付け、正しく使うように心がけてください。

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